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CKDに対する吸着炭の使用法 【糖尿病腎症第4期および他のCKDステージG4・G5に対して使用】

No.4881 (2017年11月11日発行) P.56

古家大祐 (金沢医科大学医学部臨床医学糖尿病・内分泌内科学教授)

丹羽利充 (修文大学学長/修文大学短期大学部学長)

登録日: 2017-11-08

最終更新日: 2017-11-07

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  • 糖尿病腎症を含め,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の患者は末期腎不全に進行するリスクのみならず,心不全の合併リスクも高くなります。この要因には,貧血や尿毒症毒素の蓄積が関連すると言われています。そこで,糖尿病腎症および他のCKDに対する吸着炭(経口吸着薬)の投与については,それぞれのどの病期に,またどのCKDステージから考慮すべきかが悩むところです。修文大学/修文大学短期大学部・丹羽利充先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    古家大祐 金沢医科大学医学部臨床医学糖尿病・内分泌内科学教授


    【回答】

    (1)吸着炭の効能・効果

    CKDが進行して末期腎不全となると,吸着炭が腎不全の進行抑制のために投与されています。吸着炭の適応疾患は「慢性腎不全(進行性)」で,効能・効果としては,「慢性腎不全(進行性)における尿毒症症状の改善および透析導入の遅延」です。

    (2)吸着炭の作用機序

    消化管内で尿毒症毒素を吸着して便中に排泄します。特に腸内でインドールを吸着することによりインドキシル硫酸濃度を低下させます。インドキシル硫酸は,CKDの進行を促進するのみならず心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)や骨代謝異常,サルコぺニアをきたす尿毒症毒素です。したがって,吸着炭には,CKDの進行抑制効果のほかに,CKDに伴うCVDや骨代謝異常,サルコペニアの発症抑制効果が期待されます。

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