【質問者】
古家大祐 金沢医科大学医学部臨床医学糖尿病・内分泌内科学教授
CKDが進行して末期腎不全となると,吸着炭が腎不全の進行抑制のために投与されています。吸着炭の適応疾患は「慢性腎不全(進行性)」で,効能・効果としては,「慢性腎不全(進行性)における尿毒症症状の改善および透析導入の遅延」です。
消化管内で尿毒症毒素を吸着して便中に排泄します。特に腸内でインドールを吸着することによりインドキシル硫酸濃度を低下させます。インドキシル硫酸は,CKDの進行を促進するのみならず心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)や骨代謝異常,サルコぺニアをきたす尿毒症毒素です。したがって,吸着炭には,CKDの進行抑制効果のほかに,CKDに伴うCVDや骨代謝異常,サルコペニアの発症抑制効果が期待されます。
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