(京都府 T)
筋力増強,筋肉をつけるには,レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)が必要ですが,一般的なレジスタンストレーニングでは最大挙上重量(1回で挙上できる最大の重さのことで,1RMと表します)の65~70%以上の高負荷を与えなければ,明らかな筋肥大は起こらないことが知られています。したがって,重量挙げなどの高負荷の筋力トレーニングは,筋力増強ならびに筋肥大において非常に有用です。しかし,こうした高強度のトレーニングでは,懸念されるようにトレーニング中に顕著な血圧上昇を促すため,高血圧症などの疾患を有する人には十分な注意が必要なわけです。
加圧トレーニングとは,四肢の基部を専用の弾性ベルトで加圧し,適度に血流が制限された状態で行うトレーニング法1)で,低負荷にもかかわらず,多くの筋線維を刺激し,筋肥大と筋力増強が得られる筋力トレーニング法です。したがって,加圧トレーニングでは,日常活動レベルの低負荷強度でも十分な効果を引き出せるため,低強度の負荷を用いるのが原則であり,高強度筋力トレーニングに比べて,トレーニング中の血圧上昇は低く抑えられます2)。
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