食物アレルギーは乳児に最も多く,加熱卵に対する即時型アレルギーの有症率は約10%程度である。しかし,卵白に対するIgE抗体レベルの感作は約30%にも上り,ほかの食物でも同様の現象を認める。慢性的な乳児アトピー性皮膚炎,即時型アレルギーの既往などがあれば抗原特異的IgE抗体検査の適応になるが,無症状の児に対しては行うべきではない。食物アレルギーの管理は正しい診断と理解,検査に対する正しい解釈,食物経口負荷試験(OFC)を意識した病診連携が診療の基本になる。本特集が,先生方の日常診療のお役に立てればと願う。
1 食物アレルギーの臨床型分類
国立病院機構相模原病院小児科 海野浩寿
国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長 海老澤元宏
2 食物アレルギーの診断プロセス─診断の総論・病診連携のタイミング
国立病院機構相模原病院小児科医長 真部哲治
国立病院機構相模原病院小児科医長 柳田紀之
3 食物アレルギー診断に有用な検査法
国立病院機構相模原病院臨床研究センター病因・病態研究室長 佐藤さくら