自民党厚生労働部会は22日、罰則付き受動喫煙対策の導入を盛り込んだ健康増進法改正案を大筋で了承した。早ければ3月上旬にも閣議決定が見込まれる。
厚生労働省が部会に示した案によると、病院、行政機関等は「敷地内禁煙」としつつ、受動喫煙防止の措置が取られた屋外に限り喫煙場所の設置を認める。それ以外の多数の人が利用する施設や飲食店は「原則屋内禁煙(喫煙専用室内でのみ喫煙可)」とする。
飲食店に対する例外措置については、中小企業や個人が運営する客席面積100m2以下の店舗では、「分煙」等の標識を掲示すれば客席での喫煙を認める。ただし、従業員を含む未成年者の喫煙場所への立ち入りを禁止するなどの措置を求める。厚労省の推計では、例外措置の対象となるのは全飲食店のうち最大5割強。
改正法は東京オリンピック・パラリンピックまでに段階的に施行。病院や行政機関では2019年夏頃から、その他の施設では20年4月から適用する。
部会では、喫煙規制推進派の議員が飲食店における例外措置の拡大に反発。ただ、たばこ議連の所属議員が「地方の店舗にも配慮がなされた」と評価。受動喫煙防止議連の山東昭子会長も「これ以上立ち止まるわけにいかない。嫌々ながら容認する」と妥協し、最終的には部会長一任で了承された。橋本岳部会長は部会終了後、「とにかく前に進んで良かった」と話した。
一方、公明党は厚労部会で法案の了承を一度は見送ったものの、27日の政務調査会全体会議で政調会長一任の形で事実上了承した。