インターネットやスマートフォン利用の早期化、長時間接触による子どもの健康被害の啓発者を養成する「ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会」が昨年12月に設立された。協議会共同代表の田澤雄作氏(仙台医療センター小児科)に活動の趣旨を聞いた。
子どものネット・スマホの早期接触と長時間接触による脳や視聴覚の発達阻害、運動器の衰え、依存症などの問題が明らかになってきています。
ネット先進国の韓国では、午前0〜6時まで16歳未満のオンラインゲーム参加を禁止する「シャットダウン制」、18歳未満の参加時間を保護者が管理する「ゲーム時間選択制」などが導入されている一方、日本では時間制限や使用制限といった対策、国民への啓発活動は遅れています。専門家も少ない。症状のデータとそのエビデンスに基づいた啓発を行う講師の養成が求められています。こうして本協議会が設立されました。
協議会は医療系組織、ネットアドバイザー団体、教育・社会学研究者の3系列で連携を図っています。医療系組織としては、日本医師会や日本小児科医会が参加しています。
講習のコースは現在2つ。協議会の認定講師として、講演活動を行えるようになる「認定インストラクター講習コース」、ネット・スマホ問題の教養を身に付ける「研修コース」です。内容は、「脳の発達阻害」「睡眠障害と生活リズム」「視聴神経の発達阻害」「その他の体の発達阻害」「ネット依存(社会学の視点)」の5分野。コースによって1~3日で受講していただきます。認定インストラクター講習コースが軌道に乗り次第、上位資格を取得する「認定上級インストラクター講習コース」を新設する予定です。
受講の対象者は、ネット・スマホ問題に関心のある方すべてです。1月に協議会として初めて実施したプレ講習会の受講者は、教師や養護教諭が多数を占めていました。