司会&総合診療科指導医K:今回も総合診療科の症例です。では,K先生お願いします。
担当医(総合診療科後期研修医):はい,よろしくお願いします。この症例は,他院で既に発熱に対する精査がなされた後に,熱源不明ということで当院当科に転院してきたという症例です(スライド1)。
会場:これによると血液培養もきちんと実施され,感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)なども検討されていたようですね。
会場(研修医):「抜歯後」が気になりました。
担当医:そうですね。抜歯後の発熱には間違いないようですが,抗菌薬開始前の血液培養は陰性でした。
会場:発熱は,むしろ抗菌薬開始後からでは?
担当医:それはないと思います。
司会:待って下さい。今の質問は鋭いですね。なぜそれを確認したのでしょうか?
会場:あ,いや薬剤熱なのかなと。
司会:これは素晴らしい指摘です。研修医の先生方,覚えておいて下さい。
担当医:実際には,抗菌薬開始前からの熱であったことと,前医入院中,抗菌薬投与を打ち切り後もCRP高値が持続したことなどから,薬剤熱は違うかなと。経過図を示します(スライド2)。