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受動喫煙防止対策について【聞かせてください! 現場のホンネ】(81)

No.4903 (2018年04月14日発行) P.23

登録日: 2018-04-12

最終更新日: 2018-04-11

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2020年東京五輪に向け、新たな受動喫煙防止対策を定めた健康増進法改正案が今国会で審議される見通しです。規制の内容には賛否がありますが、“あるべき対策”の形について、先生方のご意見をお聞きし、計82人からご回答をいただきました。

受動喫煙防止対策のうち、屋内での喫煙についての考えを尋ねたところ、最も多かったのは「屋内原則禁煙(喫煙室設置を認めない)」で、55人(67.1%)を占めました。「喫煙はどんな形であれリスクでしかない」(研修医)、「外国で普通に施行されている規制ができない日本は情けない」(眼科・勤務医)など、たばこの有害性と国際標準の観点から規制の厳格化を求める声が多数寄せられました。

「屋内原則禁煙(喫煙室設置は認める)」とした方は17人(20.7%)。その理由をみると、「ほんの僅かでも煙が漏れない陰圧構造の喫煙室であれば認めるが、できれば認めたくない」(内科・勤務医)、「禁煙学会認定医ですが、病院周辺で入院患者が喫煙し、近隣住民から苦情を言われています。たばこは大嫌いです」(精神科・病院経営)など、現実を考慮して“仕方なく”認めるという意見が多くみられました。

中小飲食店など一部に「例外を設ける」規制が妥当だとしたのは5人(6.1%)、「喫煙可」などの表示を掲げれば喫煙を認めてもよいとの意見も5人(6.1%)いました。主な理由には「店側の負担にも配慮を」(内科・勤務医)、「厳しすぎる規制は社会を息苦しくする」(内科・開業医)などが挙がりました。

■加熱式も一律規制を望む声が多数

加熱式たばこの規制のあり方についてもご意見を募集しました。その結果、「成分は(加熱式たばこを販売する)3社で異なるようですが一律に規制すべき」(内科・開業医)、「リスク評価ができていないなら紙巻と同等の規制でよい」(外科・勤務医)と考える方が多く、アンケートでは「紙巻たばこと同等の規制をかけるべき」が64人(78.0%)に上り、「規制対象にはすべきだが紙巻たばこと同等でなくてよい」17人(20.7%)と「規制対象にしなくてよい」1人(1.2%)を大きく上回りました。

このほか、たばこ対策全般に関しては、小児科の先生から、子どもへの受動喫煙は「虐待」であるとの認識が広まってほしいという声が届きました。また、産業医や企業健診に携わる複数の方からは、たばこ成分が特定化学物質(特化物)として扱われていないことに疑問を呈する声が上がっています。

禁煙については「加熱式たばこなんてせこいことせず禁煙すべし」(内科・勤務医)と強力に推進を訴える意見もありますが、「薬がやめさせてくれると思っている患者が多い。『やめるのはあなた自身ですよ』と言うがダメ」(内科・開業医)など、禁煙治療における苦悩が滲んだ声も目立ちました。

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