【質問者】
髙橋 聡 札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査 医学講座教授
治療前の尿細菌学的検査による菌種と薬剤感受性結果が前回の結果と一致しない場合には,「再燃」ではなく「再発」として治療後の再発予防を含めたマネジメントが重要となります。再発予防は,①日常生活に関する指導,②抗菌薬を用いる方法,③その他の方法に大別されます。
日常生活において指導すべきこととして,一般的には以下のような生活習慣が予防に有効であると考えられます。
・十分に水分を摂取し,尿を我慢しない
・外陰部を清潔に保つ
・性行為前後に排尿する
・タンポンや不潔な性具の使用を控える
・肥満があれば改善する
・アルコールや刺激物の摂取を避ける
具体的に外陰部を清潔に保つには,下着や生理用品,尿吸収パッドは毎日変える,排泄後の清拭は前から後ろへ行う,洗浄トイレはある程度清拭してから使用する,などが考えられます。このように多くの指導項目がありますが,残念ながら系統的に検討した報告はありません。
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