著: | 小川眞広(日本大学病院消化器内科/超音波室長) |
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著: | 金子真大(日本大学病院消化器内科) |
判型: | B5判 |
頁数: | 160頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2019年12月25日 |
ISBN: | 978-4-7849-6665-3 |
付録: | 無料の電子版(HTML版)が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
■腹部エコーでの診断力を高めたいすべての医師にお勧めする1冊!
■検査環境や画像保存、綺麗な画像を出すための画質調整など、撮像の基本的な心構えからしっかり理解できます。
■各論では、肝臓・胆道・膵臓において遭遇頻度の高い疾患を取りあげました。典型例のエコー像を示し、B-mode、ドプラ・造影超音波検査でのみえ方の特徴についてポイントを示しながら解説。より精度の高い診断・評価や治療の方針についても「次の一手」として説明しています。
■1章の「腹部超音波スクリーニング検査の“みかた”」は、日本大学病院で実施されている25断面の腹部スクリーニング法に関する動画のおまけ付き。著者による実際の手技を映像で学べます!
本書は、Webコンテンツ(PDF版+HTML版)としても別途ご購入いただけます
1章:腹部超音波検査で正しい診断を下すための基礎知識
1 手の届く所 に超音波診断装置のある安心感
2 画像保存の重要性―異常なしは保存なし?
3 画質調整のポイント―綺麗な画像を出すには何を調整するのか?
4 救急外来での“みかた”
5 腹部超音波スクリーニング検査の“とりかた”
6 超音波検査結果の“みかた”
2章:肝臓の”みかた”
1 総説:肝臓の“みかた”
2 急性肝障害の“Focus Point”
3 慢性肝障害の“Focus Point”
4 肝脂肪化の“Focus Point”
3章:肝腫瘤性病変の“みかた”
1 総説:肝腫瘤性病変の“みかた”
A 良性疾患の“みかた”
1 肝囊胞性疾患の“Focus Point”
2 肝膿瘍の“Focus Point”
3 限局性結節性過形成(FNH)の“Focus Point”
4 肝血管腫の“Focus Point”
5 血管筋脂肪腫(AML)の“Focus Point”
6 肝細胞腺腫の“Focus Point”
B:悪性腫瘍の“みかた”
1 肝細胞癌(20mm未満)の“Focus Point”
2 肝細胞癌(20mm以上)の“Focus Point”
3 肝細胞癌浸潤の“Focus Point”
4 肝細胞癌破裂の“Focus Point”
5 肝内胆管癌の“Focus Point”
6 混合型肝細胞癌の“Focus Point”
7 転移性肝腫瘍の“Focus Point”
4章:胆道疾患の“みかた”
1 総説:胆道の“みかた”
2 胆石症の“Focus Point”
3 急性胆囊炎の“Focus Point”
4 慢性胆囊炎の“Focus Point”
5 胆囊腺筋腫症の“Focus Point”
6 胆囊ポリープの“Focus Point”
1)コレステロールポリープの“Focus Point”
2)胆囊腺腫の“Focus Point”
7 胆囊癌の“Focus Point”
8 胆管癌の“Focus Point”
5章:膵臓疾患の“みかた”
1 総説:膵臓の“みかた”
A:膵炎の“みかた”
1 急性膵炎の“Focus Point”
2 慢性膵炎の“Focus Point”
3 自己免疫性膵炎の“Focus Point”
B:膵腫瘤性病変の“みかた”
1 膵囊胞性腫瘍の“Focus Point”
1)膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の“Focus Point”
2)粘液性囊胞腫瘍(MCN)の“Focus Point”
3)漿液性囊胞腫瘍(SCN)の“Focus Point”
2 膵充実性腫瘍の“Focus Point”
1)神経内分泌腫瘍(NET)の“Focus Point”
2)膵癌の“Focus Point”
3)solid pseudopapillary neoplasm(SPN)の“Focus Point”
巻頭言
臨床医にとって,診察時に患者の皮膚を切開することなく体内の情報を見たいという願望は永遠のテーマである。それらの情報を被検者にとって非侵襲的な手法で,しかもリアルタイムに視覚化する超音波検査の有用性の高さは言うまでもない。
しかし,使用する超音波診断装置の多様性や表示方法の特殊性,さらには超音波検査の自由度から客観性の低さが原因となり,過去の超音波画像が有効な医療資源として活用されていないケースも多いように思われる。
IT化とともに医療を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中,超音波検査も同様に常に進歩しているのが現状といえよう。このような環境においても,超音波検査の長所と短所を把握しつつ,ちょっとした方式や技術的なコツを習得することで今までとは違う付き合い方ができると考えている。
本誌では,超音波検査が読者の日常臨床において強い“味方”になるよう,スクリーニング検査の意義や根拠,さらには撮影手法について説明し,超音波画像の“見かた”そして臨床的な側面から患者を診察する際の“診かた”を随所に交えながら,日常臨床で触れる頻度の高い消化器領域の肝臓,胆囊,膵臓における腹部超音波検査を用いた総合的な“みかた”を解説していく。
本誌の内容が,少しでも今後の診療のお役に立てば幸いである。
日本大学病院消化器内科科長/超音波室長 小川眞広