編著: | 石井芳樹(獨協医科大学 呼吸器・アレルギー内科 主任教授) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 128頁 |
装丁: | 2色部分カラー |
発行日: | 2018年01月31日 |
ISBN: | 978-4-7849-4734-8 |
版数: | 1 |
付録: | - |
1. はじめに
2. 気管支サーモプラスティの原理とコンセプト
3. 臨床成績:米国を中心とした4つのスタディ
4. 気管支サーモプラスティの適応と患者選択
5. 施行スケジュールと患者への説明
6. 必要物品・機器と術前準備:検査・投薬
7. 麻酔
1)局所麻酔
2)全身麻酔
8. 手技の実際
9. 合併症と対処
10. 術後管理
11. 有効性評価
12. 気管支生検検体の評価
13. 費用負担および他治療との医療経済的比較
14. 重症喘息治療における気管支サーモプラスティの位置づけ
15. 気管支サーモプラスティの問題点と今後の課題
症 例
1. 気管支サーモプラスティが奏功したathma-COPD overlap(ACO)の1例
2. 気管支サーモプラスティが奏功したステロイド依存性重症喘息の1例
3. 気管支サーモプラスティにより抗IgE抗体を減量することができた1例
4. 気管支サーモプラスティ後の3葉完全無気肺に伴う呼吸不全に対し
ECMOが必要であった重症喘息の1例
5. 気管支サーモプラスティが奏功した喀痰の多い喘息患者の1例
6. 気管支サーモプラスティが奏功したアトピー性皮膚炎合併喘息の1例
7. 気管支サーモプラスティ後にいったん軽快するもその後増悪を繰り返し
抗IL-5抗体製剤使用にて小康状態を保っている1例
8. 予定外受診と発作治療をなくし治療ステップダウンが可能となった1例
9. 気管支サーモプラスティを安全に施行でき著効を得た重症慢性気流閉塞症例
序 文
2015年4月,わが国でも重症気管支喘息に対して気管支サーモプラスティが保険適用となりました。新しい治療法ではあるものの,重症喘息患者を救うオプションとしてきわめて有用性が高いと思われ,大きな期待が寄せられています。
そのため,施行症例における経験や情報を,できる限り多くの施設や施行医で共有し,どのような施設でも安全で有効な治療を患者さんに提供することができるようにしたいと考えます。
このような思いから,現状で施行経験の多い施設の先生方に,基礎的な原理やコンセプトから,手技の実際,術前・術後管理,より有効な施行の工夫,合併症の管理や予防,医療経済的問題,術前・術後の病理学的変化,そして今後の可能性などについて,最新の情報を分担・ご執筆頂きました。
そして,まだまだ個々の施設での症例数が限られるなか,先生方には興味深い症例をご選択頂き,それが本書の特徴のひとつとなっています。
現在はまだ明確な結論が出せる段階にはありませんが,今後,レジストリシステムなどを活用して, 気管支サーモプラスティをどのような症例に選択し,何をもってその有効性を証明していくべきかを明確にしていかなければなりません。
本書が,喘息治療における気管支サーモプラスティの役割を確立するための一助となれば幸いです。
2018 年1月 編者