編集: | 日比紀文(北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター) |
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編集: | 久松理一(慶應義塾大学医学部消化器内科) |
編集: | 松岡克善(慶應義塾大学医学部消化器内科) |
判型: | B5判 |
頁数: | 272頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2013年10月02日 |
ISBN: | 978-4-7849-4382-1 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
■ 潰瘍性大腸炎、クローン病、それぞれ20症例を提示。診療上の課題をどのように解決していくか、症例ごとの治療戦略を考えるケーススタディ。
■ 「考えられる治療戦略」と「実際に行った治療」に分けて記載し、その結果を「考察と検証」で振り返ります。
■ どのタイミングで、どの治療を選択すべきか、エビデンスレベルはどうか、副作用の問題をどうするか等々、現場の医師の思考過程が分かる構成となっています。
以前はIBDの診療は専門医に限られていましたが、今や特殊な内科的治療や手術が必要な状況下でのみ専門医への紹介や入院が行われるべきで、一般医によって診断・治療することが要求される時代になっています。消化管領域にたずさわる医師として、IBDに関する正しい知識を持ち、標準化した治療を知り、専門医への紹介のタイミングなどについて十分理解しておくことは必須の要件と言えましょう。
IBDに関しては多くの専門書が刊行されていますが、そこに書かれた原則やガイドラインに沿っても、大いに悩む症例も多いと思います。本書はこれらの悩みを解決すべく、症例をベースにして日常診療に即した実践的な内容としました。
すなわち、専門家の先生方に症例を提示していただき、その症例の診療上の課題を「Problem list」として挙げていただきました。そして、その課題に対して「考えられる治療戦略」と「実際に行った治療」に分けて記載し、最後に「結果の考察と検証」として症例を振り返って検討する形式をとっています。患者さんごとの治療戦略を考えていく際の医師の思考過程が分かるような構成になっており、臨床の現場でオーダーメイド治療を行う際の実践的な知識を提供できればと思います。
若い研修医や消化器系の臨床医を含むすべての方々にとって、本書が適切な診断と治療、さらには研究を進めていくための一助となることを期待しています。
2013年9月 日比紀文