厚生労働省は20日に開いた「都道府県医療勤務環境改善担当課長会議」で、医療機関の労働時間管理における勤務医の宿日直と研鑽の扱いを整理した新たな通知を、6月にも発出する方針を明らかにした。
通知の内容は「医師の働き方改革に関する検討会」の整理を踏まえたものとなる見通し。労働基準監督署による宿日直許可基準の考え方は1949年に発出された現行の医療機関向け通知を踏襲しつつ、許可対象となる「特殊な措置を必要としない軽度の、又は短時間の業務」の例示を現代の医療の実態に合わせて見直す。病棟当直や非輪番日の休日・夜間の救急において、許可を受けた場合に労働時間規制の適用除外となる業務が明示される。
医師の研鑽の労働時間管理については、研鑽を所定労働時間外に行うことを本人が申告し、上司が確認(記録)すれば、労働時間には該当しないこととする。その際、研鑽を行う医師に対しては突発的事態でない限り診療等を指示しないなど、通常勤務と峻別する必要がある。通知では、研鑽をいくつかの類型に分け、労働時間に該当するかどうか判断する際の目安を示す。例えば、診療ガイドラインの勉強の場合、一般的には診療の準備行為として労働時間と見なすが、業務上必須でない行為を上司の指示なく自由意思に基づき行っていると確認されれば、労働時間に該当しないものとして取り扱う。
厚労省は通知発出後、個別医療機関における36協定の締結状況など、労務管理に関する緊急調査を実施する。8月頃には調査結果を集計し、都道府県に結果を通知する予定。