東京都が5日に公表した受動喫煙防止条例案を受け、東京都医師会の尾﨑治夫会長は同日に開いた会見で、従業員への受動喫煙防止の観点から、加熱式たばこの規制のあり方を都議会で議論する必要性を訴えた。
都が新たに提示した条例案で、飲食が可能な加熱式たばこ専用の喫煙室の設置を認めると明記されたことについて尾﨑氏は、「国の法案と整合性をとったと理解している」としつつ、専用喫煙室に出入りする従業員に健康被害が及ぶ可能性があると問題視。12日に始まる都議会の定例会で、「規制を緩めるのではなく、加熱式たばこも規制すべきではないかという議論をしていただきたい」と訴えた。その上で「どう扱うかは都議会の判断だが、医療界としては、紙巻きたばこと同じように規制すべきという意見は変わっていない」と強調した。
条例案で、従業員を雇っている飲食店の場合、面積の大きさに関係なく原則禁煙とする点については、「大きく評価する」との見解を示した。尾﨑氏は「狭い空間ほど煙は濃くなり、受動喫煙による健康被害を受けやすい」と指摘。「面積を基準の1つに設ける法的整備は間違っている」と訴えた。