「白内障をやっている眼科医は幸せだと思うんです。『先生のお陰でこんなに見えるようになって、新しい人生をまた楽しみたい』と言う患者さんもいて、その方の人生を変える転機になっている。自分の力になります」
自身の転機はドイツ臨床留学。言葉の壁に加えアジア人は小柄で実際より若く見られるため、初めは患者の信頼が得られず苦労したと言う。「ドクターではなくシュベスター(看護婦)と呼ばれたり、『あの先生では不安』という声も聞かれました」。ビッセンさんはそこでへこたれず、手術の腕を磨き、毎朝同僚の出勤前に入院患者の診察を済ませるなどの努力を重ねた。次第に同僚から「彼女はオペが上手い」と認められ、患者の口コミも広まって「『あの小さいアジア人の先生にオペしてほしい』と言われるようになったんです」
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