【質問者】
古井辰郎 岐阜大学大学院医学系研究科産科婦人科学分野准教授
【十分な情報の伝達・提供が必要】
不妊治療後に妊娠した患者の多くは,いわゆる“高齢妊娠”が多い傾向にあります。一般的には35歳以上の妊娠を指しますが,35歳未満と比較して,合併症を有している,もしくは妊娠後に合併症が見つかる場合があります。
具体的には,高血圧,耐糖能異常,甲状腺機能異常,腎炎などの腎疾患,心血管系疾患,脳神経疾患,血液疾患,自己免疫疾患,精神疾患などが挙げられます。不妊治療前からそれらの合併症を有している患者の多くは,それぞれの専門診療科において管理を受けている場合が多いですが,必ずしも妊娠許可を得ていなかったり,不妊治療を受けていることを告知していなかったりする場合もあります。不妊治療時のスクリーニング検査にて,先に述べた合併症についてある程度は発見することもできますが,不妊治療期間が長いと,その間に増悪することもあります。
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