今年4月、35年ぶりに新しい医学部が誕生した。近藤さんが院長を務める東北薬科大学病院は医学部附属病院の「東北医科薬科大学病院」に生まれ変わり、教育・研究機関としての新たな役割が加わった。現在、急ピッチでハード・ソフト両面での体制を整備中。小児科や腎臓内科を増設したほか、10月には救急センターを開設する予定で、医師数は今後3年間で150名を超える計画だ。
医学部新設は東日本大震災からの復興と東北地方の医師不足対策を目的に認められた。「1期生の卒業が6年先なのが辛いところですが、それまで現戦力で地域の期待に少しでも応えられるよう活動したい。先進医療よりも、まずは一般医療が充実した病院を作る方針です」と話す。これまでは東北大から医師の派遣を受ける立場だったが、今後は地域に医師を派遣する立場になる。「そのためには指揮命令系統の整備も重要課題です」
病院の隣接地に「教育研究棟」を建設中。病院職員が一体となる雰囲気をつくるため、教授以外の教員の部屋は大部屋だ。「診療科の枠を超えて、いつでも顔が見えて話し合える環境のほうが、診療、教育、研究、さまざまな面で情報共有ができ、組織全体のためになると考えています」
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