厚生労働省は3月28日、「健康寿命のあり方に関する有識者研究会」の報告書を公表した。健康な状態で日常生活を送れると期待される平均期間を表す「健康寿命」について、2040年までに16年比で3年以上延伸し、男女とも75年以上にするという新目標を提案している。
同研究会は、政府の「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」の下に設置されたもの。政府が19年夏をメドに策定する「健康寿命延伸プラン」に向け、健康寿命を巡る現状や課題を整理した。
健康寿命は3年に1度、「国民生活基礎調査」で健康上の問題による日常生活への影響が「ない」と回答した者と、現在の健康状態を「よい」「まあよい」「ふつう」と自覚している者の割合に基づいて算出される。16年時点の健康寿命は、男性72.14年、女性74.79年。新目標が達成された場合、40年時点の健康寿命は男性で75.14年以上、女性で77.79年以上となる。
報告書では、新目標について自ら「相応にチャレンジングな目標設定」と言及している。40年時点での達成に向けては、「不健康割合」(健康上の問題による日常生活への影響がある者の割合)を、男性で16年の0.84倍程度、女性で0.88倍程度に低下させる必要があり、特に後期高齢者の女性における健康状態の改善がカギとなる。