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【他科への手紙】皮膚科→内科一般

No.4792 (2016年02月27日発行) P.49

井上雄二 (熊本市民病院皮膚科部長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-27

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  • 私は昨年、熊本市民病院へ赴任しました。ここで驚かされたことが薬疹患者の多さです。薬疹の診療は、以下の①〜⑤になります。①入念な問診:通院している病院、投薬内容、投薬時期、発疹の出現時期、発熱の有無など詳細な問診が必要になります。②薬疹の臨床病型の決定:薬剤によって薬疹の臨床病型には特徴があります。たとえば、抗菌薬では汎発性丘疹紅斑型、NSAIDsでは多形紅斑型、降圧薬では扁平苔癬型などです。臨床病型を決定して、過去の報告と照らし合わせます。そのときに最も頼りになるのが、福田英三先生が発行している『薬疹情報』です。③採血:好酸球の上昇や肝機能障害・腎機能障害の有無などを確認します。④皮膚生検:全例ではありませんが重症型薬疹や重症に移行する可能性が疑われた場合には積極的に生検します。⑤薬剤誘発性リンパ球刺激試験(DLST):確定診断は実際の薬剤投与によるchallenge testによりますが、症状悪化の危険性があるためほとんど行われません。パッチテストは陽性率が低く、唯一、有用な検査がDLSTです。ただし、この検査も陽性率は40~60%程度とされており、確定診断には至らないケースが少なくありません。350点の保険点数が算定可能ですが、複数の薬剤を検査すると赤字になります。さらに、結果が出るまで10日程度必要なため、治療期間中に結果が出ないケースが大半です。

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