臨床試験論文におけるSPIN(印象操作)─結果を曲解し,読者を誤解させる記述1)─が問題視されて久しい。PubMedに収録された2006年に報告のネガティブ試験72報を精査した研究では1),アブストラクト「結論」部分の37.5%,本文「結論」の29.2%,「考察」の43.1%にSPINが見つかった。
上記の結果はPubMed収録の全論文を対象としている。では,いわゆる権威ある「トップジャーナル」に限ればどうなるだろう? そのような観点から,心血管系疾患に関する論文を対象とした研究結果が5月3日,JAMA Netw Open誌にオンライン掲載された2)。トップジャーナルとはいえ,実態はあまり変わらないようだ。米国Duke大学のMuhammad Shahzeb Khan氏らが報告した。