リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)は,LAM細胞と呼ばれる平滑筋様細胞の増殖,転移と,それに伴って起こる諸症状からなる全身疾患である。LAMには,単独で発症する孤発性LAMと,結節性硬化症(tuberous sclerosis:TSC)に伴って発症するTSC-LAMとの2種類がある。LAM細胞では,主にTSC2遺伝子の変異によってmTOR活性が亢進している。LAM細胞は,VEGF-Dやプロテアーゼを産生する。VEGF-Dはリンパ管の増生を,プロテアーゼは肺組織破壊により肺囊胞の形成をきたす。
孤発性LAMとTSC-LAMのどちらも,ほとんどは妊娠可能な年齢の女性に発症する。特徴的な胸部CT所見(両肺びまん性/散在性に多発する境界明瞭な薄壁囊胞)があり,病理学的にLAM細胞または乳び胸腹水中のLAM細胞クラスターが証明されれば確定診断となる。
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