精巣腫瘍は,発症頻度は低いが青壮年男性の悪性腫瘍では最も頻度が高い。抗癌剤,特にシスプラチンの発見により飛躍的に治療成績が改善され,転移があっても適切な治療を施すことにより約80%の症例で根治が期待できる。2015年に日本泌尿器科学会から「精巣腫瘍診療ガイドライン2015年版」が刊行されているので参照されたい1)。
無痛性の陰囊内容の腫大が認められる。診断にはエコーが重要で,内部不均一な充実性の腫瘍として描出される。初診時に必ず精巣腫瘍の血清マーカーであるalpha fetoprotein(AFP),human chorionic gonadotropin(hCG),lactate dehydrogenase(LDH)を測定する。胸腹部CTにて転移の有無を検索する。
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