日本高血圧学会(伊藤裕理事長)は29日に記者会見を開き、「高血圧ゼロのまち」を目指すモデルタウンを8月から募集すると発表した。
同学会は昨年9月、高血圧の国民を今後10年間で700万人減らし、健康寿命を延伸することを目標に掲げた「みらい医療計画」を発表している。同学会は、この目標を実現するための「目玉の対策」として、「高血圧ゼロのまち」モデルタウンを募集するという。
高血圧ゼロを目指す具体的方法(プロジェクト)については、地域や対象者の特性に合わせた、血圧測定・受診勧奨・減塩・運動・禁煙などの生活習慣改善などを想定。健診や市民講座など従来の取組にとどまらず、各地域の名産を活用するなど斬新なアイデアを歓迎するとしている。モデルタウンとなった場合には、日本高血圧学会がプロジェクトを後援し、企画策定と活動の助言を行う。ただ、実施にかかる資金提供はしない。
プロジェクトの公募期間は2019年8月~2020年3月、活動期間は2019年~2025年(3~5年) としている。
会見で伊藤裕理事長は、4300万人と推定される日本の高血圧者のうち、1400万人は自身が高血圧と認識しておらず、450万人は高血圧と認識しながらも治療を受けていない―とのデータを示し、「高血圧の人を減らすためには、血圧を測り、自身が高血圧であると知ってもらうことが(対策の)一丁目一番地。それは、医療機関の中で頑張ってもできないことなので、社会全体で高血圧を撲滅するために今回のプロジェクトを企画した」と、その経緯を説明。「各自治体に合ったやり方をしてもらい、その成功モデルを他の自治体にも使ってもらいたい」と述べ、「高血圧ゼロのまち」の広がりに期待を示した。募集の詳細は学会ホームページに掲載されている。http://www.jpnsh.jp/topics/642.html
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