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特集:重症喘息 次の一手

No.4983 (2019年10月26日発行) P.18

倉原 優 (国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)

登録日: 2019-10-28

最終更新日: 2019-10-23

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2006年滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院を経て2008年より現職

1 重症喘息とは何か?
①国内外の学会において,「重症喘息」の定義がある。
②喘息患者のおよそ3~5%が難治性・重症喘息である。
③改善されるべき肺機能を早期から回復させQOLを改善すること,そして喘息死を減らすことが重症喘息診療の主目的である。

2 重症喘息と吸入アドヒアランス
①重症喘息を診た場合,吸入手技や吸入アドヒアランスに問題がないか確認する。
②重症喘息を診た場合,目の前の患者は 本当に喘息なのかどうか,再度考える。

3 トリプル吸入療法
・喘息に対して2019年10月現在トリプル吸入製剤は保険適用されない。
・喘息患者にトリプル吸入療法を導入する際,1日1回の用法がアドヒアランス維持に重要である。

4 生物学的製剤の使いわけ
・喘息に適用される生物学的製剤は,①オマリズマブ,②メポリズマブ,③ベンラリズマブ,④デュピルマブの4剤である。



・通年性アレルゲンがある喘息にはオマリズマブ,好酸球性喘息に対してはメポリズマブ,ベンラリズマブ,デュピルマブを用いる。

5 気管支サーモプラスティ
・気管支サーモプラスティは薬物治療では対応できない重症喘息患者に対して用いられる気管支鏡を用いたインターベンションである。
・気管支サーモプラスティは一度受けると,5年に及ぶ効果が期待される。
・気管支サーモプラスティは計3回の入院で約130万円の医療費がかかる。

■重要ポイント
・通常の治療で難渋する喘息は,呼吸器専門医に一度紹介する
・吸入アドヒアランスこそが喘息の予後規定因子である
・生物学的製剤と気管支サーモプラスティを適用する場合,患者の経済状況を考慮すべきである

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