【質問者】
小川正浩 福岡大学病院循環器内科診療教授
【ステロイド治療で炎症・瘢痕の進展を予防した上で,複数の治療を組み合わせて行う】
サルコイドーシスは全身の諸臓器に非乾酪性肉芽腫を形成する原因不明の疾患です。心病変は本症の20~30%に認め,死因の2/3以上に起因するとされ,本症の予後に深く関与します。心臓サルコイドーシスにおいて致死的心室性不整脈の合併は少なくなく,特にその既往がある症例では再発率が高く,その既往がない症例でも左室機能が低下している場合は,その後の発生率が高いことが報告されています。
不整脈発生の機序としては,炎症に基づく非リエントリー性と瘢痕組織を基質とするリエントリー性が考えられます。前者は,ステロイド導入期のelectrical stormを含めた一時的な増悪にも関与する可能性があります。一方,後者は再発性の心室性不整脈の重要な機序となります。
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