厚生労働省は4月17日、中等症・重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の受入れ体制を確保するため、重症COVID-19患者の治療に対する診療報酬上の評価を2倍に引き上げるなどとした特例的対応案を中医協に示し、承認を得た。
安倍晋三首相は同日夕方の記者会見で、「いまこの瞬間も重症者の命を守るため、懸命に治療に当たっている医師、看護師、医療従事者の皆さんのため、診療報酬を倍増するなど処遇の改善にしっかり取り組んでいく」と述べ、今回の診療報酬倍増策は、最前線でCOVID-19診療に従事する医師・看護師らの処遇改善が目的であることを強調した。
評価(点数)が2倍に引き上げられるのは、救命救急入院料1・2、特定集中治療室管理料1・3、ハイケアユニット入院医療管理料。ECMO(体外式心肺補助)や人工呼吸器(CPAPを含む)による管理などを要する重症COVID-19患者を診療した場合に算定できる。
中等症以上のCOVID-19患者に対する重症化防止、他の患者・医療従事者への感染拡大防止の取り組みも評価し、救急医療管理加算の2倍相当(1900点)の加算を急性期一般入院基本料に設定。救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料にも、人員配置に応じて追加的に二類感染症患者入院診療加算に相当する加算を設定する。
これらの特例的対応案について中医協は、持ち回りで開催した総会で承認。診療側の猪口雄二委員(全日病)は賛成した上で、「重篤なコロナ患者の診療は他の患者の診療を不可能にしてしまう。診療報酬を超えて、コロナ診療病院に対する十分な補助金が必要」と指摘した。