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胸痛・呼吸困難の症例 ST変化だけに翻弄されない一人前の読み方とは?[“すきドリ” すき間ドリル! 心電図~ヒロへの挑戦状~(29)]

No.5022 (2020年07月25日発行) P.9

杉山裕章 (京都府立医科大学附属病院循環器内科)

登録日: 2020-07-24

最終更新日: 2020-07-20

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44歳,男性。176cm,70kg。2日前,仕事(運送業)中に胸痛を自覚したため早退し自宅で安静にしていた。翌朝には呼吸苦も加わり,胸部症状は終日続いていた。その後も症状の改善は見られず,耐えきれなくなって外来受診した(初診)。

アルコール:機会飲酒,タバコ:30本/日×25年。体温37.2℃,血圧125/64mmHg,脈拍71/分,酸素飽和度(SpO2)92%。来院時の心電図を示す(図1)。過去の記録なし。

WBC 2万5510/μL,AST 282U/L,ALT 97U/L,Cre 0.59mg/dL,BUN 11mg/dL,CK 3028U/L,CK-MB 141U/L,CRP 9.95mg/dL,心筋トロポニンT:陽性。

胸部X線では,心陰影拡大(心胸郭比62%)とともに肺うっ血・胸水貯留を疑う所見あり。

心電図所見として,以下のうち正しいものをすべて選べ。

① 正常洞調律
② 房室ブロック
③ 徐脈頻脈症候群(洞不全症候群)
④ 非ST上昇型急性心筋梗塞
⑤ ST上昇型急性心筋梗塞

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