【質問者】
宮武伸一 関西BNCT共同医療センター教授
【多剤併用寛解導入療法に加え,分子標的治療,大量化学療法も注目を集める】
PCNSLは,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLB CL)がほとんどを占めますが,血液脳関門の存在のため全身のDLBCLの標準治療であるCHOP療法は無効です。メトトレキサート(MTX)は大量投与で血液脳関門を透過するため,従来の全脳照射との併用で一定の生存期間延長が得られてきましたが,依然,再発,死亡割合は高いです。さらに,特に高齢者患者において全脳照射による遅発性神経毒性(白質脳症や認知機能障害)が問題であり,この20年間で新たな治療法の開発が進められてきました。
そのひとつが寛解導入療法の強化であり,MTXにアルキル化薬等を併用する多剤併用レジメンの導入です。複数の方法が第Ⅱ相試験で探索されていますが,国内において保険適用下で実施可能なRMPV-A療法(リツキシマブ+MTX+プロカルバジン+ビンクリスチン-地固めAraC)によって良好な治療成績と全脳照射の線量軽減が可能であることが報告されており,広く使用されるようになってきています1)2)。
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