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胃癌手術におけるロボット手術のこれから

No.5034 (2020年10月17日発行) P.53

笠間和典 (四谷メディカルキューブ減量・糖尿病 外科センターセンター長)

福永 哲  (順天堂大学医学部消化器・低侵襲外科教授)

登録日: 2020-10-15

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  • わが国において胃癌に対するロボット手術症例数が増えてきていますが,今後,従来の腹腔鏡下手術に替わるものとなるのか,あるいは棲みわけていくものなのか,その位置づけなど今後の展望について,順天堂大学・福永 哲先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    笠間和典 四谷メディカルキューブ減量・糖尿病 外科センターセンター長


    【回答】

    【標準治療となった腹腔鏡手術を超えることを期待】

    早期胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術や胃全摘術は,既にその安全性が認められ,治療ガイドラインにも収載されており,現在,進行胃癌に対する安全性や予後の検証が行われつつあります1)2)。当科では,1994年に胃癌に対する腹腔鏡手術導入後,その手技を確立し,2000年代より高度進行胃癌(cT4bN2M0)に対しても腹腔鏡下胃切除術(laparoscopic gastrectomy:LG)を適応としてきました。

    一方,胃癌に対するロボット支援下手術(robotic gastrectomy:RG)は,わが国では2009年にda Vinci®システムが薬事承認され,2018年4月の診療報酬改定でRGの幽門側胃切除術,噴門側胃切除術,胃全摘術が承認され,現在に至っています。da Vinci®は,2020年3月の時点で約400台が国内で稼働し,2018年にはRG幽門側胃切除術が約1100例,胃全摘術が約230例実施され,近年では全胃癌腹腔鏡手術の約1~2割を占めるようになりました。

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