東京都八王子市は「10daysルール」によって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による病床ひっ迫から地域医療を守る取り組みを進める。昨年、「COV ID-19対応地域連携WEB会議」を立ち上げ、地域連携に取り組む東京医科大学八王子医療センター救命救急センター長の新井隆男氏に、10daysルールと同会議について聞いた(4月13日に取材)。
COVID-19の発症から10日以上経ち、治療が終わって症状が落ち着いている患者さんはPCR検査をしなくても、COVID-19対応病院以外の病院や施設に受け入れてもらう仕組みです。COVID-19は発症から10日経つと感染性が大幅に低下するという科学的根拠に基づいています。
COVID-19対応地域連携WEB会議で推奨したところ、八王子市医師会病院部会、八王子市高齢者施設長会などがルールの受け入れを表明し、昨年12月から稼働しています。市の財政支援もこのルールの実現を後押ししました。
当センターなどCOVID-19対応病院が、症状が落ち着いた患者さんの転院先を確保できないまま、COVID-19の患者さんを受け入れ続ければ、他の疾患や外傷の集中治療も困難になります。10daysルールは、COVID-19以外の疾患や外傷で集中治療が必要な患者さんへの高度医療の提供体制を守る取り組みでもあるのです。