【質問者】
大宅宗一 埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科教授
【オンコパネルを活用した成人悪性グリオーマの治療にはまだ多くの課題がある】
オンコパネル検査は,悪性腫瘍に起こる遺伝子変異を網羅的に解析できる検査法であり,2019年6月に保険収載されました。その検査の目的は,遺伝子変異に基づき標的薬剤による個別化医療を推進することです。現在,保険診療として承認されているのは,「FoundationOne® CDxがんゲノムプロファイル」(中外製薬)と「OncoGuideTMNCCオンコパネルシステム」(シスメックス社)の2種類で,それぞれ324遺伝子,114遺伝子の遺伝子変異を解析することが可能です。
オンコパネル検査は,標準治療を終了した患者や希少がんの患者に適応となりますが,全国12箇所のがんゲノム医療中核拠点病院や33箇所のがんゲノム中核病院でのエキスパートパネルにて解析結果を検証する必要があり,しかも保険診療のためには,患者の外来受診時にその結果を説明しなければいけません。したがって,患者が外来受診できる状態でなければ,オンコパネル検査は保険適用とはなりません。
残り533文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する