日本医師会など医療関係9団体は7月29日、日医会館で緊急記者会見を開き、緊急事態宣言の全国拡大の検討などを政府に要請する「新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大への緊急声明」を発表した。
緊急声明は、政府・新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)や厚労省・新型コロナ感染症対策アドバイザリーボードの脇田隆字座長(国立感染症研究所所長)との意見交換を踏まえ、医療関係9団体が取りまとめた。
声明は、「今、何としても今後の爆発的感染拡大を避けるための危機感の共有と対策が必須」として、首都圏など感染者急増地域への緊急事態宣言発令に加え、「宣言の対象区域を全国とすること」についても検討に入るよう政府に要請。
併せて、徹底的かつ集中的なテレワーク・直行直帰の推奨、40~64歳やリスクの高い疾患を有する者へのワクチン接種の推進・早期完了を求めている。
会見には日医のほか日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、東京都医師会のトップが出席。
日医の中川俊男会長は「できるだけ早く(全国を対象に)宣言を発令するという心構えを政府には持ってほしい。都道府県から要請がないから発令しないというスタンスではこれからは間に合わない」と述べ、政府に危機感の共有を求めた。
東京都医の尾﨑治夫会長は「今はワクチンだけで安心できるという状態ではない。(東京都の感染者数は)来週には4000人、5000人になる。この第5波を乗り切るために、実効性のある強いメッセージを政府に出していただきたい」と訴えた。