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新型コロナウイルス感染症流行下での妊婦健診や就業体制面の変化に伴う精神面での変化と必要なサポートは?

No.5076 (2021年08月07日発行) P.44

重見大介 (東京大学大学院博士課程 (医学部医学系研究科臨床疫学・経済学))

小野陽子 (東邦大学大学院医学研究科医学専攻博士課程心身医学講座)

登録日: 2021-08-06

最終更新日: 2021-08-05

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  • 新型コロナウイルス感染症流行下で,妊産婦においても妊婦健診や就業体制面で大きな変化が生じています。このような状況下,精神面ではどのような変化が起こっていますか。またどのようなサポートが必要でしょうか。東邦大学・小野陽子先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    重見大介 東京大学大学院博士課程 (医学部医学系研究科臨床疫学・経済学)


    【回答】

     【周産期うつ病は増加しており,気軽につながれるサポートの周知,在宅勤務に合わせた就業サポートの構築が不可欠である】

    (1)コロナ感染症流行下での周産期うつ病の増加

    日本人女性のうつ病の有病率は男性のおよそ2倍と言われており1),周産期うつ病の有病率は妊娠うつ病が6.5~12.9%,産後うつ病が10~20%とされています2)。新型コロナウイルス感染症の流行により,海外では周産期うつ病の有病率が27.4%3),33.7%4)と増加しているとの報告も出てきています。わが国でも遠隔医療相談での周産期うつ病のスクリーニング検査において,35%の女性が陽性という結果でした5)

    以上のように周産期うつ病が増加している要因として,新型コロナウイルス感染症が母体と赤ちゃんの生命を脅かすことや必要な出生前ケアが受けられないことへの懸念,人間関係の緊張,感染症流行による社会的孤立などが挙げられています6)。また,自分や胎児が新型コロナウイルス感染症に罹患することへの不安や,感染症のために病院を受診できずに妊婦健診が遅れることが周産期うつ病のリスクとなっています3)

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