【質問者】
井口登與志 福岡市医師会福岡市健康づくりサポート センターセンター長
【患者のスマホによる糖尿病PHRや治療アプリの導入が進んでいる】
電子カルテの普及率はかなり向上したものの,糖尿病領域のみならず医療全体で,まだ十分にICT活用が進んでいるとは言えません。医療情報の標準化の遅れや個人情報保護のハードルなどがその理由に挙げられます。つまり,電子カルテに頼ったICT活用には限界がありそうです。その一方で,患者のスマートフォン(スマホ)を用いた“personal health record(PHR)”と呼ばれる健康管理アプリや治療アプリの普及が米国を中心に進み,わが国でも導入が進みそうです。たとえばスマホで用いる電子版お薬手帳は,2019年報告では48%の調剤薬局が導入しています。また,疾患別治療アプリの先駆けとして,禁煙アプリが2020年12月にわが国でも保険適用されました。これらに続いて,糖尿病など生活習慣病の自己管理アプリや治療アプリの「処方」がなされる日がくるでしょう。
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