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多職種連携の必須知識!〈介護従事者〉─信頼関係と本人中心という価値観の共有[プライマリ・ケアの理論と実践(119)]

No.5086 (2021年10月16日発行) P.12

金山峰之 (ケアソーシャルワーク研究所所長)

登録日: 2021-10-14

最終更新日: 2021-10-13

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SUMMARY
介護従事者は人材の量的・質的確保施策の変遷により,多様な背景を持つ者が多い。そうした背景を理解し,連携する個々人と信頼関係を築き,患者本人を中心とする価値観を共有することが連携の鍵となる。

KEYWORD
本人中心
養成過程にバラつきのある介護従事者の間でも比較的浸透した,または受け入れやすい価値観。尊厳や自立支援といった言葉を平易に表現したもの。価値観を医師と共有できることは介護従事者へのエンパワメントとなる。

金山峰之(ケアソーシャルワーク研究所所長)

PROFILE
福祉系大学卒業後,15年以上在宅高齢者介護に従事。現場職,管理職の傍ら,講師業や地域社会資源作りにも取り組む。現在はフリーランス介護職として,現場や調査研究等に従事。前・東京都介護福祉士会副会長。政策学修士(法政大学)。

POLICY・座右の銘
実るほど頭を垂れる稲穂かな

1 介護従事者の制度的背景

現在,介護労働に従事している者は約200万人程度であり,介護保険開始時の約55万人から4倍弱の増加である。これは毎年数万人規模で介護労働人口が増えているということである。高齢者の増加はもちろん,近年では介護離職の防止,不況やコロナ禍における雇用の受け皿など,社会の様々な要請がこの背景にある。国はなお増え続ける介護需要に対して,外国人介護職の門戸を開き,下位資格を創設してシニアなどを取り込むといった様々な量的確保施策を実施している。

一方で,これだけ短期間に介護従事者を増やすということは,十分な専門職養成を経ていないまま現場に立つ者が一定数いること,現場への教育・育成負荷がかかるということを意味する。量的確保施策もあり,介護現場には無資格未経験者から国家資格である介護福祉士保有者までが混在している。また,介護福祉士取得には実務経験ルートと養成校ルートの2つがあり,国家試験が義務ではないパターンもあるなど,従事者が皆一定の専門性を担保しているとは言い難い。業界の間口が広く,他職種同様,入職後は就職先の育成環境次第と言える。こうした構造が長年続いた結果,資格の有無にかかわらず,経験年数や会社の育成の質,組織のマネジメントによって実務能力に差が生じている。

こうした中,国は介護従事者の質を担保する施策を様々に講じている。その1つとして介護福祉士を頂点とした資格制度の一本化がある。多様な人材をまとめ,質の高い介護実践を行う介護チームマネジメントの役割を期待し,キャリアアップも網羅しようとするものである。このように,資格,育成体験,就業動機,職場環境など多様な背景に実務能力が左右されているのが介護従事者の現状である(図1)。

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