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【他科への手紙】膠原病内科→内科一般

No.4820 (2016年09月10日発行) P.47

片桐 彰 (順天堂大学医学部附属静岡病院 膠原病・リウマチ内科准教授)

登録日: 2016-09-16

最終更新日: 2016-10-19

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  • 膠原病と言うと「原因不明の難治性の病気」という漠然とした怖いイメージが世の中に広がっているように思います。一般の方々がそうした認識を抱くならともかく、大変残念ながら、我々専門医以外の医師も「よくわからない病態の総称」として「膠原病」という言葉を使っているようです。以前、膠原病に関する講演をさせて頂いたところ、その後の情報交換会で「何かよくわからない患者が来たら先生の所に送るから、よろしく!」とある先生から言われ、泣きそうになりました。

    「よくわからない病態の総称」として「膠原病」という言葉を使うことの最大の問題点は、きわめて基本的な鑑別疾患を見落とす可能性があるということです。

    私が過去に経験した2例をご紹介します。1つ目は、「口渇と体重減少」を主訴とする「膠原病疑い」の患者を紹介された例です。口渇という症状からシェーグレン症候群をイメージされたようですが、体重減少が問題であれば、悪性疾患などとの鑑別は必須と考えます。しかし、まとめて膠原病とされてしまいました。ちなみに、この患者の血糖値は500mg/dL以上でした。2つ目は、「口内炎を伴う不明熱」による「ベーチェット病疑い」の患者を紹介された例です。本人の主訴はもともと頭痛でしたが、改善がみられないため病院を転々としていたそうです。しかし、その最大の主訴である頭痛は、口内炎からの「ベーチェット病ではないか」というイメージにより鑑別の蚊帳の外になっていて、私は典型的ケルニッヒ徴候を診ることになりました。

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