今や日本人の平均寿命は世界のトップクラスに入っています。70余年前には世界で50歳にも達しない最低ランクであったのが,現在は80歳を超えるトップクラスに上っています。
その原因に関しては,諸説あるようですが,戦中・戦後の日本人が経験した飢餓生活が長寿遺伝子を活性化させたこともその一因と考えられないでしょうか。この点に関する何らかの研究成果がありましたらご教示ください。
(質問者:大阪府 O)
一般的に信じられている戦後の長寿化の要因は,栄養状態の改善,伝染病の減少です。栄養状態の改善は乳幼児の死亡率を減少させ,成人においても免疫力や病気に対する抵抗力を向上させました。伝染病の減少は抗菌薬の登場や,公衆衛生,医療の進歩が大きいと思われます。
さて,お尋ねの戦後の飢餓と日本人の寿命の関係ですが,戦後,食料不足の状態ではなかった戦勝国(英国など)も同様に寿命が延びていますので,それ自体が原因とは言いがたいかもしれません。ただ,まったく関係ないかというと,そうとも言い切れないかもしれません。
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