今回は,心拍数に関するショート・レクチャーです。心拍数を知ることは,心電図を読む上での第一歩であり,「不整脈」を発見するキッカケにもなります。
時に「心拍数は範囲さえ知れたら十分で,具体的な数値は不要」という記載や発言を見聞きします。でも,ボクはズバッと数字を“決める”楽しさも含めて心電図を学ぶ醍醐味の1つだと思っています。
「心拍数」(heart rate)とは,「1分間に心臓が拍動する回数」という意味で,単位は「/分」や「bpm」(beats per minute)などが用いられます。
心拍数に“正常範囲”というものはないのですが,「60/分未満」は「徐脈」(bradycardia),「100/分以上」なら「頻脈」(tachycardia)と呼ばれますので,その間ならOKとするのが一般的です。逆に,病的かは別として,この範囲を出るような場合には何らかの不整脈診断をすべきという認識が必要です。
もっとも簡単に心拍数の値を知る方法,それは心電計の「自動計算値」を“パクる”こと―これをDr.ヒロは「カンニング法」と呼びます。
表現がやや過激かもしれませんが,日々の臨床は“試験”ではありませんから,別にこの方法でも構いません。ただ,盲信も良くないので,以下の計算法を知った上で利用する分には全然“不正”でないと思います。