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【他科への手紙】内分泌糖尿病内科→内科・外科一般

No.4825 (2016年10月15日発行) P.49

正木孝幸 (大分大学医学部附属病院内分泌糖尿病内科講師)

登録日: 2016-10-14

最終更新日: 2016-10-18

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  • 現在私は、肥満糖尿病やメタボリック症候群など、いわゆる「肥満」のある患者を中心に診療しています。肥満症治療の基本は言うまでもなく、食事や運動などの生活習慣を見直す行動療法が軸となります。しかし、BMI 30kg/m2を超えるような中高度肥満症患者の治療は順調に進まないことも多く、難渋するケースも少なくありません。

    近年、中高度肥満症患者に対する外科治療が、減量および肥満関連代謝合併症の改善に優れた成績を示すことが報告されてきました。また、内科治療と外科治療を比較したメタ解析でも、肥満や糖尿病などの改善効果は、外科治療のほうが圧倒的に優位であることが示されています。

    そうした状況もふまえ、わが国においても2014年4月よりBMI 35kg/m2以上の代謝異常を持つ肥満症に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険収載され、肥満症治療のひとつの選択肢となりました。合併疾患を有するBMI 30kg/m2以上の方を保険外治療する施設もあり、これでわが国でも外科治療を選択する中高度肥満症患者が増えるのではないかと思いましたが、実際はほとんど増えていない状況です。

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