編著: | 竹内靖博(虎の門病院副院長・内分泌センター長) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 288頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2022年08月12日 |
ISBN: | 978-4-7849-5847-4 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
1章 誰が治療の対象か?
1 有症状の骨粗鬆症患者をどうする? ─整形外科では?
2 骨粗鬆症患者はどのように探す? ─内科では?
3 骨粗鬆症検診の現状と展望は?
4 FRAX®はどう役立てる?
2章 診断と鑑別診断は?
5 「原発性骨粗鬆症の診断基準」はどのように使う?
6 続発性骨粗鬆症を見つけるには?
7 続発性とも違う「骨粗鬆症もどき」はどう見分けるか?
3章 検査はいつ,何の目的で,何を測るのか?
8 骨密度測定が必要なときとその方法は?
9 骨代謝マーカーを検査する目的は? いつ,何を測るか?
10 骨代謝マーカー以外の血液・尿検査はいつ,何を目的に実施するのか?
4章 いつ治療薬を始めるか,いつまで続けるのか?
11 いつ治療薬を始めるのか? その目的と目標は?
12 休薬するのか変更するのか? その判断時期は?
13 ビスホスホネートをいつ休薬するか?
5章 治療薬の選択は?
14 治療開始時の薬剤選択の根拠は何か?
15 どのような患者に骨形成薬ファーストを推奨するか?
16 治療薬の有効性をどう評価するのか?
6章 治療薬の切り替えは?
17 治療効果が不十分と判断するのはどのような場合か?切り替えはどうするか?
18 治療効果が十分と判断されるのはどのような場合か?そのようなときはどうするのか?
19 テリパラチドからの切り替えはどうするか?
20 ロモソズマブからの切り替えはどうするか?
21 デノスマブからの切り替えはどうするか?
7章 様々な病態を合併する骨粗鬆症の治療は?
22 摂食障害など栄養障害のある若年者の治療は?
23 妊娠後骨粗鬆症の治療は?
24 男性骨粗鬆症の治療は?
25 小児期の骨粗鬆症治療は?
26 ステロイド治療患者に対する骨粗鬆症対策は?
27 2型糖尿病患者に対する骨粗鬆症対策は?
28 慢性腎臓病(CKD)患者に対する骨粗鬆症対策は?
29 乳がん・前立腺がんのホルモン療法中の患者に対する骨粗鬆症対策は?
8章 薬物療法以外の骨折予防策は?
30 食事の指導はどうするか?
31 サルコペニア対策はどうするか?
32 運動指導やロコモーショントレーニング(ロコトレ)は有効か?
33 どのようなときに椎体骨折患者の外科的治療を考えるのか?
9章 患者への説明と指導はどうする?
34 骨粗鬆症マネージャー®とは? その役割は?
10章 今さら聞けない骨粗鬆症の基礎
35 原発性骨粗鬆症の病態生理とは?
36 骨粗鬆症と骨折の疫学─日本の動向は?
37 骨粗鬆症治療薬の「有効性」はどのように評価されているのか?
11章 治療薬を安全に使うためには?
38 歯科医師からビスホスホネートやデノスマブの休薬を求められたら?
39 非定型大腿骨骨折の予防はどうする?
40 活性型ビタミンD製剤を処方するときの注意点は?
─いまだに侮れない高カルシウム血症と急性腎障害
41 ロモソズマブの安全性に関する注意点は?
42 デノスマブを休薬する場合の注意点は?
43 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)を処方するときの注意点は?
骨粗鬆症を治療することにより,高齢者の骨折発症を減らすことが可能な時代を迎えて既に20年以上が経過した。この間にも,高齢者は増加の一途をたどっており,骨折予防は喫緊の課題となっている。
21世紀に入ってからの骨粗鬆症治療薬の開発には目覚ましいものがあり, 薬理作用や投与方法において多様な薬剤が使用可能となっている。また,骨粗鬆症は糖尿病と同様に,その診療にあたっては,食事(栄養)・運動・生活習慣・薬剤など,多岐にわたる知識を必要とする。さらに,長期間にわたり治療を継続することが必要とされるため, 個々の患者に適したテイラーメイド医療を提供していくことが求められる。一方で,薬物治療が長期化することにより,稀ではあるが重大な問題が発生する可能性があり,積極的に骨粗鬆症治療を進めようとする際には,これらに関する理解も必須である。
骨粗鬆症は国内患者数が1,000万人を超えると推定されるcommon diseaseであり,それを専門としない医師が診療に携わる機会が多く,今後その必要性はますます高まることが予想される。そのため,非専門医が診療の現場で抱く多くの疑問に対して,簡潔かつ適切な情報を得るためのコンパクトな書物が望まれている。これらの背景から2017年にjmedmook49として出版された「もう悩まない!骨粗鬆症診療」は,幸いにも多くの読者から好評をいただくことができた。5年の時を経て,jmedmook49を基にアップデートされた本書を読者に提供する機会に恵まれた。診療現場における疑問をあらためて43個に集約し,それぞれに対して最新の知見を含めつつ,必要かつ十分な情報を提供することをめざした。全ての項目で最高の執筆者を得ることができ,その内容に満足いただけるものと確信している。
日々の診療の合間にふと疑問が浮かんだら, その答えはきっと本書の中であなたを待っているはずである。
2022年7月
竹内靖博
虎の門病院副院長・内分泌センター長