腎性貧血は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)で高頻度に認められる合併症である。貧血は運動耐容能の低下をもたらし,生活の質の低下や死亡リスク,心血管イベントリスクにもつながることから,適切な治療介入が必要である。
腎臓でのエリスロポエチン(erythropoietin:EPO)産生低下を主病態とする本疾患に対し,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)の投与や鉄補充療法が行われてきた。さらに本邦では2019年より,低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(hypoxia-inducible factor-prolyl hydroxylase:HIF-PH)阻害薬が臨床応用されている。
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