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新しい前立腺肥大症治療法であるUroLift®システムの良い適応や注意点は?

No.5157 (2023年02月25日発行) P.53

杉原 亨 (自治医科大学腎泌尿器外科学講座講師)

加藤 忍 (かとう腎・泌尿器科クリニック院長)

登録日: 2023-02-24

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  • 2022年4月に新しく保険収載された前立腺肥大症治療法の植込み型前立腺組織牽引システム(UroLift®システム)にふさわしい適応の条件や,実施に際しての注意点をご教示下さい。
    かとう腎・泌尿器科クリニック・加藤 忍先生にご解説をお願いします。

    【質問者】杉原 亨 自治医科大学腎泌尿器外科学講座講師


    【回答】

     【前立腺体積80mLより小さい中葉肥大のない側葉肥大の前立腺肥大症が良い適応となる】

    (1)UroLift®システム適応の条件

    前立腺インプラント埋め込み尿道吊り上げ術(prostatic urethral lift:PUL)は,米国において2013年に米国食品医薬局(Food and Drug Administration:FDA)に認可された比較的新しい前立腺肥大症手術です。

    わが国でもUroLift®システムが2022年4月に保険収載されています。PULは,前立腺肥大により閉塞した前立腺部尿道を永久的インプラントにより開大させて膀胱出口閉塞を解除する手術法です。術後射精障害などの性機能障害を起こさずに前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH)に伴う下部尿路症状を改善するという特長があります。PULは低侵襲性に加え,術後5年までにわたる治療効果の持続が得られています。

    海外では前立腺肥大症手術として一般的に使用されているUroLift®システムですが,わが国の適正使用指針における適応は,BPHに伴う下部尿路機能障害を呈する患者で全身状態や手術侵襲を考慮して,従来の手術療法〔経尿道的前立腺切除術(transurethral resection of the prostate:TURP),ホルミウムレーザー前立腺核出術(holmium laser enucleation of the prostate:HoLEP)など〕が,以下のように困難な症例とされています。

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