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食塩感受性高血圧の生活指導を含めた対処法は?

No.5184 (2023年09月02日発行) P.47

石上友章 (横浜市立大学附属病院循環器内科教授)

勝谷友宏 (勝谷医院院長/大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学招聘教授)

登録日: 2023-09-01

最終更新日: 2023-08-30

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  • 食塩感受性高血圧の生活指導を含めた対処法を教えて下さい。
    勝谷医院・勝谷友宏先生(日本高血圧学会実地医家部会)にご解説をお願いします。

    【質問者】石上友章 横浜市立大学附属病院循環器内科教授


    【回答】

    【6g未満への緩徐な減塩とサイアザイド系利尿薬,MRB,ARNIの効果的使用】

    高血圧遺伝子解析の成果として,日本人は遺伝的に食塩感受性が高い民族であることが明らかになりました。具体的には,アンジオテンシノーゲン遺伝子(AGT)のT235型など代表的な食塩感受性高血圧遺伝子のリスク型の頻度が,欧米白人よりも日本人において高いことが示されました1)

    英国では,主食のパンを中心にした減塩を国が主導して実施したことから,年間1万人弱の循環器死亡を減らすことに成功しています2)。ポイントは,国が塩漬け食品を製造し続けている企業には増税を課し,美味しく工夫して減塩食品を製造している企業には減税をしたこと,そして「緩徐に」減塩したことです。人間の味覚は1カ月に1g未満の減塩であれば感知できないと言われていますので,本当に上手く国主導で行ったと感心するばかりです。

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