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特集:3つの画像パターンで覚える 間質性肺炎のみかた

No.5187 (2023年09月23日発行) P.18

林 潤 (亀田総合病院呼吸器内科医員)

中島 啓 (亀田総合病院呼吸器内科部長)

登録日: 2023-09-22

最終更新日: 2023-09-22

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2018年東京医科大学医学部卒業。成田赤十字病院での研修を経て,2023年から現職。(林,写真も)

1 間質性肺炎とは

・肺の間質に病変の主座と認める疾患で,「原因不明のもの(特発性)」と「原因が明らかなもの」がある。
・問診や身体診察を十分に行い,特発性か,原因が明らか(膠原病,薬剤性,過敏性肺炎など)なのかを鑑別する。

2 間質性肺炎を疑う

・症状:進行性の呼吸困難や慢性咳嗽,身体所見:両側背側下肺で捻髪音(fine crackles)を聴取,ばち指,画像所見:胸部X線で横隔膜の不鮮明化,胸部CTで網状影,すりガラス影,牽引性気管支拡張,蜂巣肺。
・その他:細菌性肺炎として治療するも抗菌薬で改善しない,肺障害を起こしやすい薬剤を内服している。

3 OPパターン

・コンソリデーションがあるかを評価する。
・非区域性(肺の区域を超え横に広がる)のコンソリデーションと,周囲のすりガラス影はOPパターンを示唆する。

4 UIPパターン

・蜂巣肺があるかを評価する。
・肺野末梢(胸膜直下),肺底部優位に分布する網状影と蜂巣肺はUIPパターンを示唆する。

5 NSIPパターン

・OPパターンとUIPパターンのどちらにも当てはまらない場合はNSIPパターンかどうかを考える。
・両側下葉優位にすりガラス影やコンソリデーションが胸膜下・気管支血管束に沿った分布を呈する所見は,NSIPパターンを示唆する。
・cNSIPではコンソリデーションやすりガラス影が,fNSIPでは線維化を示唆する所見(牽引性気管支拡張や肺の収縮)が目立つ。

6 呼吸器内科へのコンサルトと治療

・OPであればステロイド,UIPであれば抗線維化薬,NSIPであればステロイド・免疫抑制薬あるいは抗線維化薬。
・治療開始する場合には呼吸器内科へコンサルトする。

1 間質性肺炎とは

間質性肺炎とは,肺の間質に病変の主座を認める疾患である1)。肺胞隔壁を狭義の間質,小葉間隔壁や胸膜,気管支血管束周囲の結合組織を広義の間質と言う。間質性肺炎は「原因不明のもの」と「原因が明らかなもの」の,大きく2つにわかれる1)。表1に,原因が明らかな間質性肺炎を示す。代表的な原因としては,膠原病,薬剤,環境などがある。原因不明の間質性肺炎を,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia:IIPs)と呼ぶ。

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