サノフィは12月19日、厚労省に高用量インフルエンザワクチン(QIV-HD)の製造販売承認申請を行ったと発表した。
QIV-HDは、米国では「Fluzone High-Dose Quadrivalent」、欧州では「Efluelda」の製品名で販売されており、サノフィの高用量3価インフルエンザワクチン(TIV-HD)で得られた経験に基づいて開発された高用量4価ワクチン。TIV-HDは、65歳以上の成人において他の標準用量3価インフルエンザワクチン(TIV-SD)と比較して優れた有効性を示し、心肺イベントや肺炎などによる入院やインフルエンザに関連する合併症に対しリスク低下を示した唯一のワクチンとされている。海外の臨床試験では、TIV-HDはTIV-SDに比べ優れた免疫応答を誘導し、ワクチン有効性の改善を示したという。
高齢者においては、免疫老化やフレイルおよび併存する合併症の増加により標準用量インフルエンザワクチンに対する免疫応答が健康な若年成人に比べ十分でなく、ワクチン中の1株当たりの抗原量を増やすことが高齢者の予防効果を高める方法の1つとなるため、60歳以上の成人を対象として、1株当たり標準用量の約4倍(60μg)の抗原量を含むQIV-HDが開発された。
サノフィによると、QIV-HDは現在、世界30カ国以上で承認、主要国の公的機関により高用量ワクチンの使用を推奨する肯定的見解が示されている。
「QIV-HD」の臨床試験結果
60歳以上(2100例)対象の国内第Ⅲ相試験で、QIV-HD筋肉内接種は国内既承認QIV-SD皮下接種に比べQIV-SDに含まれる4種類のウイルス株すべてに対する優越性が示されている