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フレイルに対する栄養介入の効果は?

No.5207 (2024年02月10日発行) P.50

土井剛彦 (国立長寿医療研究センター研究所老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部副部長)

井上達朗 (新潟医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科講師)

登録日: 2024-02-09

最終更新日: 2024-02-06

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  • フレイルに対する栄養介入の効果についてご教示下さい。新潟医療福祉大学・井上達朗先生に解説をお願いします。

    【質問者】土井剛彦 国立長寿医療研究センター研究所老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部副部長


    【回答】

    【たんぱく質やロイシンに加え,ビタミンDやアラニンなど複数の栄養素を併用した介入が増加している】

    フレイル高齢者への栄養介入は多様化しています。これまでたんぱく質とロイシンによる効果が報告されていますが,これらに加え,高カロリーやビタミンD,アラニンなど複数の栄養素を併用した栄養介入が増えています。実際には,レジスタンストレーニングや有酸素運動などの運動を併用した介入や,「栄養」+「運動」+「認知機能トレーニング」+「薬剤調整」など,より多面的な介入が増加しています。

    また,フレイルに対する介入研究は身体機能面をアウトカムとする報告が多かったのですが,最近は認知機能や心血管系マーカーなど身体機能面以外に対する介入結果が報告されています。たとえば,van der Zwaluw NLらの研究では,Fried criteriaで評価した平均年齢79歳,MMSE中央値28点のプレフレイルとフレイル高齢者を対象に,15gのたんぱく質が含まれた飲料を1日2回24週間継続した結果,認知機能のドメインのひとつである情報処理速度がプラセボ群と比較して改善したことが報告されています1)

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