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積極的支援で翌年度医療費に抑制効果 - 厚労省WGが20万~23万人のレセプトデータ分析 [特定健診・特定保健指導] 

No.4727 (2014年11月29日発行) P.5

登録日: 2014-11-29

最終更新日: 2016-11-18

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【概要】厚労省は21日、特定保健指導の積極的支援を終了した人に、翌年度の入院外医療費において一定程度の適正化効果が示唆されたとする分析結果を公表した。


厚労省は21日、特定健診・特定保健指導の医療費適正化効果について、特定保健指導の積極的支援(40~64歳が対象)を終了した人に、翌年度の医療費適正化効果が示唆されたとする分析結果を公表した。この結果は、レセプト情報・特定健康診査等情報データベース(NDB)データを用いて「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」のワーキンググループ(WG)が分析し、取りまとめたもの。

●男女とも有意に医療費が抑制
分析対象は、2008~11年度の特定健診で特定保健指導の対象となった人のうち、(1)参加者(当該年度に初めて特定保健指導を受け、保健指導のメニューを最後まで受けた者)、(2)不参加者(これまでに一度も特定保健指導を受けておらず、当該年度も受けなかった者)─とし、翌年度の1人当たりの入院外医療費を算出した上で比較、医療費適正化効果について調査した。各年度20万~23万人分のレセプトデータが対象となった。
医療費の定義はメタボリックシンドロームの関連疾患である高血圧症と脂質異常症、糖尿病の3疾患で外来受診し、治療薬を処方されたレセプト、とした。3疾患で受診してもがんに関連する受診がある場合は、医療費が高額になるため除外した。
分析結果(別掲)では、08年度は男性が5340円、女性が7550円、参加者の方が不参加者に比べ翌年度の1人当たり入院外医療費が低かった。それ以外の年度でも医療費は参加者の方が低く、男性では08~11年度のすべて、女性では08~09年度で有意差が認められた。一方、特定保健指導のうち、積極的支援よりも支援対象者への関与が少ない動機付け支援については、参加者と不参加者の差が小さく、有意な差が認められない年齢階級や年度も少なからずあったという。
WGは分析結果として、積極的支援について「メタボリックシンドローム関連疾患の医療費を抑制する効果が示唆された」と考察。男女差については、女性の指導対象基準が男性のBMIより高くなっている点などを踏まえ、女性が男性よりも悪化してから積極的支援を受けているケースが多いことが要因としている。
WGは今回の結果を「利用できるデータの制約や様々な仮定を置いた分析」とした上で、「短期的な医療費適正化効果を大規模で評価できた意義は大きい」と指摘。今後は、NDBを活用して長期的な推計モデルを作成し、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病合併症などが及ぼす医療費への影響についても分析結果を取りまとめ、年度内の公表を目指す方針だ。

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