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COPDに対する気管支鏡下肺容量減量術の適応は?

No.5224 (2024年06月08日発行) P.52

沖 昌英 (国立病院機構名古屋医療センター外来部長/呼吸器内科医長)

品川尚文 (KKR札幌医療センター呼吸器内科呼吸器センター長)

登録日: 2024-06-10

最終更新日: 2024-06-04

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  • どのような慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に気管支鏡下肺容量減量術を考慮すべきか教えて下さい。KKR札幌医療センター・品川尚文先生にご解説をお願いします。

    【質問者】沖 昌英 国立病院機構名古屋医療センター外来部長/呼吸器内科医長


    【回答】

    【左右どちらかひとつの葉を完全無気肺にできると予想される重症COPDが対象となる】

    今回,日本に導入された気管支鏡下肺容量減量術は,Zephyr®気管支バルブシステム(Pulmonx Japan社)を用いて,気腫化の強い一側一葉を完全無気肺にすることで肺容量を減量させ,残った比較的健常な肺での呼吸機能を改善させる治療です。重症COPDのみが対象となっており,その他の疾患は適応となりません。専門性の高い治療であり,2024年5月時点で,日本全国14施設程度(https://blvrjp/clinic/)で行われており,今後,順次増える可能性があります。

    適応については,日本呼吸器学会と日本呼吸器内視鏡学会が合同で「重症COPDに使用する気管支バルブの適正使用指針」を出していますので,詳細はそちらを確認して下さい。以下,本稿ではその要点を述べていきます。

    まず,繰り返しですが「重症のCOPDであること」が大前提です。重症とはどの程度かというと,Modified Medical Research Council(mMRC) Dyspnea Scaleではグレード2以上の呼吸困難となっています。6分間歩行では100m以上500m以下です。呼吸機能検査では%FEV1が15%以上45%以下(気管支拡張薬使用後)となっています。ここまでは,クリニックの先生でも判断が可能であろうと思います。

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