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内視鏡での咽頭観察の現状・必要性について

No.5224 (2024年06月08日発行) P.52

松浦倫子 (慶應義塾大学病院腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門)

岩坪太郎 (大阪医科薬科大学病院消化器内視鏡センター)

登録日: 2024-06-07

最終更新日: 2024-06-04

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  • 内視鏡での咽頭観察の現状・必要性についてご教示下さい。
    大阪医科薬科大学病院・岩坪太郎先生にご解説をお願いします。

    【質問者】松浦倫子 慶應義塾大学病院腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門


    【回答】

    【咽頭癌の高リスク例には発生部位や死角領域を意識した咽頭観察が重要】

    食道癌と頭頸部癌は飲酒や喫煙といった共通のリスクファクターをもち,同じ扁平上皮から発生するため,しばしば重複します。これは“field cancerization”という「共通の発がん因子に長期的にさらされることにより複数の領域にまたがって広く発がんする現象」として提唱されています。

    わが国における2019年の口腔・咽頭癌の罹患率は18.8例(人口10万対)で,食道癌の20.9例(人口10万対)とほぼ同程度であり1),食道癌の2次癌としても最多です。実際に食道表在癌の内視鏡治療後のサーベイランスとして,しばしば口腔・咽頭癌が見つかります。食道内視鏡治療後の頭頸部癌の年罹患率は約2%とされており2)3),これは胃がん検診のハイリスクグループにおける胃癌発生率(年率0.1〜1.25%)よりも高い数字です。頭頸部癌のサーベイランスは喉頭機能温存の点においても重要であり4),内視鏡における口腔・咽頭の観察が頭頸部癌の早期発見のために重要な役割を担います。

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