【質問者】永嶋孝一 日本大学医学部循環器内科学分野准教授
【DOAC導入3週間後に早期のアブレーションを計画し,その間に薬物治療と画像評価を加えよう】
急性心不全の約40%に心房細動(atrial fibrillation:AF)の合併がみられるため,初回心不全入院の多くがAFを併存しています。特に新規発症例では心機能低下例もめずらしくなく,AF合併HFrEFにはよく遭遇します。以下,筆者の実践的なtipsをご紹介します。
「心不全合併」ということはCHADS2スコア1点以上は確定であり,抗凝固薬の適応となります。急性期はヘパリン静注からの導入でもよいですが,腎機能(クレアチニンクリアランス:CCr≧30mL/分/1.73m2)が比較的安定していれば最初から直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)の内服でもよいと思います。次に,AFの増悪因子のコントロールを図ります。感染,貧血,電解質異常,体液コントロール(心不全治療)などです。並行して心拍数コントロールも図ります。HFrEFではCa拮抗薬(ベラパミル,ジルチアゼム)が禁忌のため,血行動態をみながらβ遮断薬やジゴキシンで心拍数110回/分以下を目標に調整します。
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