佐賀大医学部長で同大循環器内科主任教授の野出孝一氏は6月11日、フクダ電子が主催した父の日記念イベント「血管年齢を知り動脈硬化を防ぐ―中高年男性に多い動脈硬化、血管年齢を計測しそのリスクを知る―」に出席し、動脈硬化リスク軽減のための生活習慣の改善と早期発見・早期治療につながる定期的な検査受診の重要性を訴えた。
循環器領域の第一人者としてイベントに登壇した野出氏は、動脈硬化が日本におけるおもな死因の2割以上を占める心筋梗塞や狭心症、脳卒中といった重篤な心疾患・脳血管疾患を引き起こす要因となることを説明。中高生の血圧検査の結果から若年層にも高血圧などの動脈硬化リスクを持つ人がいることを指摘し、「若いうちから自分の血管年齢を知り、塩分を控えた適切な食事療法や、ウォーキングなどの運動療法で生活習慣を改善することが重要」と述べた。
イベントには父の日にちなみ、動脈硬化リスクが高まる父親世代(中高年男性)代表として元力士の舞の海周平さん、子供世代代表として俳優の岡田結実さんも出席。野出氏を交え、パネルディスカッションが行われた。
血液脈波検査のデモンストレーションでは、舞の海さんが患者役となり、動脈硬化の進行度を表すCAVI(Cardio Ankle Vascular Index)、動脈の狭窄具合がわかるABI(Ankle Brachial Index)、血管年齢を計測した。
以前にも検査を受けたことがあるという舞の海さんは、「圧迫感が全くなく、5分くらいですぐに終わるので非常に簡単に受けられる」と語り、前回の計測以降心がけていることとして、健康のために食事量や食べる順番に気を付けていること、目的地の一駅前で電車を降りてウォーキングする頻度を増やしていることなどを紹介した。
検査結果を受けて野出氏は、「舞の海さんは前回計測時よりも体重が減少し、血圧が下がったため血管年齢の数値が良くなっている。食生活や普段からの生活習慣の改善がよく表れている」と評価。血液脈波検査による動脈硬化への意識づけの重要性を強調した。
岡田さんは「今日学んだことを、お父さんやお母さんに教えるだけでなく、(子供世代の)私たちも自分の血圧や血管年齢について考え、将来の自分のために舞の海さんを見習って行動に移していきたい」と生活習慣の改善に意欲を見せた。